モノノミカタ ~CNCを使った木工作品についての説明書きなど

自然と人をつなぐモノづくり。創作する上で知ったこと、考えたこと。

チェロ・エンドピン響板!

前回ブログ「チェロ板(エンドピンストッパー)について」では国内のコンサートホールの舞台に使われている床板・構造を基にヒノキ無垢材のすぐれた特性を明らかにし、その結果から床構造別にエンドピンストッパーを設定しました。 www.natural-arts.jp今回…

チェロ板(エンドピンストッパー)について

チェロのエンドピンストッパーを製作していて、もっとも大事なのは、名前の通り、エンドピンを滑らせないことですが、エンドピンを替えると音が変わるように、エンドピンストッパーによっても楽器の響き方や音質が変わることに気がつきました。 目次 1.弦楽…

木材の3次元切削とアート(芸術)表現

久しぶりの更新です。 日々、CNC工作機を使った木工について試行錯誤していますが、未だ三次元切削に大きく踏み込めずにいます。問題は入口(3Dモデリング)と出口(多面加工)のハードルの高さと、三次元でモノ(作品)を作りたいという衝動が湧いてこない…

ネオジム磁石の活用について/CNC工作機による木工小物製作

ネオジム磁石が手に入りやすくなったことで、CNC工作機による木工小物製作は自由度が上がったと感じています。現在、薄もの木材を使った小物のふた開閉や、飛行機マグネットに活用。ネオジウム磁石の活用方法をCNC-ARTの特色まで昇華できたらと考えています…

ShapeOko 3を購入/特徴と使用してはじめて気づいたこと

久しぶりの投稿になります。 以前から創作の幅を広げるために広い作業(切断)領域をもつCNCの導入を考えていましたが、この度、USAの個人向けCNCメーカー「Carbide 3D」のShapeOko3を購入しました。 ホームページで注文してからわずか4日で自宅へ到着。商…

電子書籍「CNC-ART!Mini-CNC工作機を使った木工作品の製作と愉しみ方 」を書いてみた!

先日から、このブログの記事をベースに編集した電子書籍「Mini-CNC工作機を使った木工作品の製作と愉しみ方 」の販売を開始しました。昨年末から作業を始めて、ずいぶん時間が経ってしまいましたが、ようやくアップ出来ました。 CNC-ART!Mini-CNC工作機を使…

アート(芸術)とは何か?

私はCNC工作機を使った木工作品の製作を「CNCアート」と呼んでいるのですが、“そもそもアート(芸術)とは何か?”ということをまとめてみました。 〇寅さんの「芸術論」 先ずは市井の哲学者・寅さんの「芸術論」。 寅さんに訊け「芸術論」 ・芸術家は皆貧し…

読後のまとめ~『2030年の世界地図帳 あたらしい経済とSDGs、未来への展望』

落合陽一氏のSDGsの書籍。主として専門の科学技術から見た世界の変化と展望について、独自の視点で最新の情報を網羅したものです。 日頃、ESDやSDGsに関わる活動をしていますが、SDGsにどう向き合っていったらよいのか、自分でもはっきりしていません。落…

YouTubeへの投稿/CNC工作機による木工小物製作

最近はブログを読む方が少ない、YouTubeなど動画を作らないと見てもらうことは難しいそうです。CNC工作機の認知度を上げ、少しでも収益にプラスになればと考え、動画を作成することにしました。 YouTube上では、個人向けCNCによる創作を扱った動画がたくさん…

『makeCNC』で図面データを買ってみた

先日紹介しました(下)『makeCNC』で試しに図面データを購入してみました。 www.natural-arts.jp 『makeCNC』はアメリカのミネソタ州に本拠を置く会社で、スクロールソー(糸鋸)・レーザーカッター・CNCルーター(CNC工作機)用の膨大な種類の「カットファ…

エンドミルによる切削について/CNC工作機による木工小物製作

個人向けCNC工作機は大抵、3軸(※X軸・Y軸・Z軸のこと)で、エンドミルという刃物を使っています。私の機械はエンドミルを咥えるスピンドルの穴の径(シャンク径といいます)が4㎜径なのでエンドミルの軸の径も4㎜となります。 〇スクエアエンドミル エンド…

「かもめ食堂」とフィンランドのバーチ材

昨日は休日、気分転換にアマゾンで映画を観ました。アマゾンのサイトを見ていて、たまたま目にとまったのが「かもめ食堂」。フィンランドのヘルシンキを舞台としています。 かもめ食堂 発売日: 2016/06/29 メディア: Prime Video この商品を含むブログ (1件)…

台風とSNS/ネットの活用で状況判断

昨日は台風対策で食料の買い出し、今日は朝から台風情報を気にしながら過ごしました。 台風が来ることは数日前からわかっており、テレビや気象庁のホームページで情報確認しておりましたが、リアルタイムでの情報をつかむという点で、ネットの情報に比べ、テ…

『あいちトリエンナーレ2019』再訪/残念ながら「表現の不自由展・その後」は見れず

「表現の不自由展・その後」の鑑賞が先日の10月8日(火)午後から再開されました。『あいちトリエンナーレ』の会期が10月14日(月)までなので、一週間のみの鑑賞期間となります。この「表現の不自由展・その後」の再開に合わせて、他の中止していた作家の…

著作物に対する敬意・モノの価値について

前回は「生活の一部としてのモノづくり」として、図面データなどを少額(千円くらい)で買うことにより、自分の家の糸鋸で切ったり、CNC・レーザー加工機で出力、製作できるサービスを紹介しました。 www.natural-arts.jp日本ではCNCやレーザーの普及はまだ…

生活の一部としてのモノづくり/CNC工作機による木工小物製作

以前ご紹介した『Vectric』は、CNC加工で、2.5次元までの切削が可能な安価なCAMソフト「Cut2D」を販売しているイギリスのソフトウェアメーカーですが、3次元彫刻パーツ(クリップアート)のデータも販売しています。 www.natural-arts.jp Design & Make Stor…

魅せるカラクリ/CNCを使った木工小物製作

CNC工作機の、極めて精度の高い切削性能を活かすとすれば、歯車などの機械部品を作ることになるのでしょう。WEBで“魅せるカラクリ”を探してみました。 木製ではありませんが、カラクリの芸術(アート)といえばこれです。 www.youtube.comテオ・ヤンセンの「…

「和時計風」置時計のデザイン/CNCを使った木工小物製作

「和時計風」置時計の検討が続いています。 前回は和時計の特徴について記しました。今回は時計の盤面を中心に検討します。 www.natural-arts.jp www.natural-arts.jp 和時計は「不定時法」なので厳密には既製品のムーブメントでは追いきれません。したがっ…

和時計のデザイン/CNCを使った木工小物製作

前回は「暦と時刻制度」についてのエントリでした。江戸期において城とお寺では決まった時刻に鐘や太鼓を鳴らさなければいけないので、時刻制度に対応した和時計がありました。 和時計の二つのタイプ 和時計には「不定時法」(江戸期に行われた一日を昼と夜…

暦と時刻制度/CNCを使った木工小物製作

『ト音記号の置時計』を昨日、追加で製作しました。今回はト音記号が“大きい”ので、色が茶系のウォルナットを使い、下地と調和させることにしました。 時計の製作が続いています。もっともムーブメントは既製品なので、時計の“ガワ作り”といった方が正確です…

音楽を二次元で表現すること②/ヘ音記号の置時計/CNCを使った木工小物製作

私の製作テーマとして、音楽を2・3次元で表現して小物を作ることがあります。 音楽をカタチにする方向としては、小物としての木を叩く・木と木で音を出し、楽器とする方向があります。 www.natural-arts.jpフルート・オーボエ・クラリネットなどの木管楽器…

木象嵌(もくぞうがん)と波ウサギ/CNC工作機による小物製作

木象嵌(もくぞうがん)とは何でしょうか? 正倉院の宝物には角や骨、貝や宝石などを嵌(は)め込んだ象嵌(ぞうがん)で装飾された楽器や調度品が伝えられているそうです。 下の書物によると、『木象嵌(もくぞうがん)とは、種々の天然木材を用いて象(か…

本ブログ「モノノミカタ」、現在までのまとめ

このブログをはじめて約3か月とちょっと経ちました。特にローテーションを決めてテーマを回しているわけではないので、創作の他に、気になっていることや、その日どうしても書きたいことなど、自分でもかなり“出たとこ勝負”的に書きなぐっている印象がありま…

音楽を二次元で表現すること/音部記号って何?/ネオ・ファンタジア/CNC工作機による小物製作

小物製作に音楽関連の楽しい図柄を象嵌(ぞうがん)をしようと考えているのですが、楽器の形は複雑で納まりが難しい。そこで音楽記号を検討してます。 記譜の中で音の高さを示す、ト音記号やヘ音記号、アルト記号などは『音部記号』というのですね。実は私、…

折りたたみ譜面台用「鉛筆置き」を作ってみた/スチール製譜面台のみ/CNC工作機による小物製作

楽器を演奏する人はおなじみの折りたたみ譜面台。練習場所で合奏や分奏・個人練習をする時と、ホール以外での演奏会ではこれを使います。 30年来使っているのは下のウィットナー譜面台。スチール製で重いけど、しっかりしていて丈夫なので今も愛用しています…

皆が好きなチャイコフスキー/弦楽セレナーデ/オーケストラ

最近ネタ切れを起こしております。今回は窮余の音楽ネタで。 私が所属している楽団の今年度の定期演奏会プログラムは、チャイコフスキーの「弦楽セレナーデ」と「交響曲第5番」が入っています。聴くのは両方大好きな曲ですが、演奏するとなるとかなり身構え…

一番利用しているSNS?ピンタレスト/感性を磨くツール/セレンディピティ

私が、すきま時間で一番使っているSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)?がPinterest(ピンタレスト)です。 下記のサイトによると、ピンタレストはSNSではなく、正確には「画像をブックマークとして集めるツール」だそうです。 gaiax-socialmedi…

木製置時計の試作/CNC工作機による小物製作

私の使っている機械は100×150㎜の小さなテーブルですので、時計を作ろうとは思わなかったのですが、東急ハンズなどで市販されている“木のはがき”の規格が100×150×5㎜なので、上手く作れば「CNC工作機による小物製作」の世界を広げることになると考え、試作を…

コントラバスのこと/音のすばらしさ/使われ方

私、実は30歳までは(アマチュア)コントラバス弾きでした。今回は「コントラバスのこと」について書きます。 名称について コントラバスは、ダブルベースとか、ウッドベースとか呼ばれますがみんな同じ楽器です。オーケストラ(以下オケ)の仲間はただ単に“…

人と自然とアート/サン=テグジュペリ/養老孟司さん

前回、サン=テグジュペリの『星の王子さま』を“観た”話を掲載しましたが、中田敦彦さんのYouTube大学で再度、授業をされていますのでご紹介しておきます。興味のある方は是非ご覧ください。わかりやすい解説と、深い考察があります。最後の『天空の城ラピュ…