前回は「生活の一部としてのモノづくり」として、図面データなどを少額(千円くらい)で買うことにより、自分の家の糸鋸で切ったり、CNC・レーザー加工機で出力、製作できるサービスを紹介しました。
www.natural-arts.jp日本ではCNCやレーザーの普及はまだまだだと思いますが、設計出身の私としては模型組立て用パーツの設計に挑戦したくなりました。3次元立体のものを2次元の板に写し、また3次元に似せて組み直すことは、対象の特徴を把握し、大胆に切り取る割り切りと3次元のカタチをつかむ能力が必要になります。
図面を描いて、CAMソフトで加工指示。3㎜厚のシナ合板からパーツを切り出します。
ゼロ戦の翼の角度は水平ではないので、角度合わせの治具もパーツとして用意。
風防あたりがごちゃごちゃしましたが、一目でゼロ戦とわかる仕上がりです。
このような切り出し済みの“木のプラモデル”はないのか調べてみたところ、立派な模型がダイソーで販売されていました。なんと100円で。
muryoku-hatsuden.comこれを買ったお客は喜々として組み立てるわけですが、この値段設定にはショックやら腹が立つやらで。
こういう模型にも設計者がいて、立派な著作物なのに、なんで100円?書籍でも古本でない限り、内容に見合ったプライスが付いています。
この設計は100円の価値しかないのか?絶対そんなことはないと思います。
こんなことがまかり通れば、人は工夫をしてよいモノを生み出そうとはしなくなります。高く売れというではなく、少なくともこの著作物に対する敬意が感じられる値段で売れと言いたいのです。
モノづくりをしているハシクレとしては、とても見過ごせないので書かせていただきました。
(おわり)