楽器を演奏する人はおなじみの折りたたみ譜面台。練習場所で合奏や分奏・個人練習をする時と、ホール以外での演奏会ではこれを使います。
30年来使っているのは下のウィットナー譜面台。スチール製で重いけど、しっかりしていて丈夫なので今も愛用しています。プラスチック部品がないので半永久?的に使えるでしょう。
ウィットナー 譜面台 961D WITTNER MUSIC STAND 961D
- 出版社/メーカー: ウィットナー
- メディア: エレクトロニクス
- 購入: 1人 クリック: 7回
- この商品を含むブログ (2件) を見る
この譜面台が良いところは譜面を置くL型の受けの前に、押さえの金具がないこと。下は押さえがあるタイプ。譜めくりがほとんどないのであれば重宝しますが、ページが多い場合は邪魔になります。
KC キョーリツ 譜面台 軽量スチール製 折りたたみ式 MS-200J/BK ブラック (ソフトケース付属)
- 出版社/メーカー: KC(ケーシー)
- メディア: エレクトロニクス
- 購入: 1人 クリック: 3回
- この商品を含むブログを見る
練習中は、指揮者の指示や気が付いたことを譜面にメモるために、消しゴム付きの鉛筆を使うのですが、この鉛筆の置き場に困ります。プルトの譜めくり担当が気にしない人だと頻繁(ひんぱん)に鉛筆を飛ばします。気にする人は“練習の流れ”を読みながら鉛筆が落ちないように移動させます。私は気にしない人なのでコロコロよく落とします。
下のような小物を買っている人もいます。
これは譜面台のL型プレートに差し込んで使うものですね。鉛筆を置くだけなら十分なスペースがあります。ただ、これも譜面をめくるときに差し込みの上の部分が邪魔になります。
木工小物アイテムで何とかできないかと考えていたところ、鉛筆置き場をL字部分を挟まないで、“マグネットで吸着させる”方法を思いつきました。もちろん磁力でくっついているだけなので、載せられるのは鉛筆やペン程度ですし、アルミ製の折りたたみ譜面台には使えません。
三種類の試作の断面です(見にくい写真で申し訳ありません)。上面にマグネットを埋込み、L型の底面に吸着させます。下の“トレイ部分”に鉛筆が載ります。
左は当初案で、譜面台のプレートに沿うように出っ張りを設け、位置合わせをやりやすくしています。トレイ部分を大きく取り過ぎました。「てこの原理」で、右端の支点から遠くなるほど、何かに触っただけで落下しやすくなりますので、支点からの距離を短くする必要があります。
真ん中の案はマグネットの真下にトレイを設けています。外れにくくなりましたが、形態として位置決めの出っ張りを設けることが出来ない(手間をかければ可能ですが)ので、本体が吸着したまま“動き”、気持ちの悪い結果となりました。
右端が最終案。当初案のトレイを必要最小限としました。
実際に「鉛筆置き」を付けた写真。とても見にくいですが、譜面台のプレートと「鉛筆置き」の出っ張りが“面(つら)”なので、譜面をめくった時に引っ掛かりません。
譜面台の“L型の受け”の上に置いて写真を撮りました。ウォルナットにネオジウム磁石が埋め込まれています。位置決めの出っ張りのおかげで装着した時の気持ちよさがあります。
道具の製作は使っている人の気持ちにならないとわからないもの。“演奏家まわりの道具”はまだまだ改良の余地があるかもしれません。
(おわり)