モノノミカタ ~CNCを使った木工作品についての説明書きなど

自然と人をつなぐモノづくり。創作する上で知ったこと、考えたこと。

ShapeOko 3を購入/特徴と使用してはじめて気づいたこと

久しぶりの投稿になります。

以前から創作の幅を広げるために広い作業(切断)領域をもつCNCの導入を考えていましたが、この度、USAの個人向けCNCメーカー「Carbide 3D」のShapeOko3を購入しました。

ホームページで注文してからわずか4日で自宅へ到着。商品は約14万円、送料・関税・消費税をあわせて約17万5千円でした(マキタのルーターは除く)。

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 購入にあたっては以下のサイトを参考にさせていただきました。

〇ShapeOko3の特徴

1.安価でありながら広い作業(切断)領域と拡張性!

ShapeOkoはシンプルなガントリータイプの個人向けCNC工作機。

以前からCNCのユーチューバーWinstonMoy(https://www.winstonmakes.com/)のファンだったこともあり、ShapeOkoXLの導入を考えていました。結局スペースの関係で欲しかったXLが3になりましたが。下はWinstonMoyによるShapeOko3の紹介動画。


Meet the Shapeoko 3: Feature Overview

CNC工作機を木工主体で使う場合、安価で広大な作業領域を持つ“木工の本場”USAの製品を導入するのは成り行きですね。ShapeOko3は追加部品を購入すればXL、XXLにも拡張可能です。

2.CAMソフト(Carbide Create)が付属!

「Carbide Create」はシンプルなCAD/CAMソフトで、2.5次元切削まで対応しています。私の場合はvectricの「VCarveデスクトップ」を使用しており、不要ですが。

3.オープンコンテンツが豊富!

Shapeoko Wiki:https://wiki.shapeoko.com/

shapeoko-cnc-a-to-z:https://shapeokoenthusiasts.gitbook.io/shapeoko-cnc-a-to-z/

フェイスブックのユーザーグループ(非公式)

 メーカー(Carbide 3D)のホームページも充実していますが、社外のオープンコンテンツのおかげで、くまなく探せばかゆいところにも手が届く感じです。

「フィードとスピード」の関係、エクセルを使用したワークシートまで掲載されており、理論的な裏付けのある値が設定できます。

 

〇使用してはじめて気づいたこと

1.外寸が大きい!

実測で幅723㎜、奥行607㎜。下手をするとドアから入れられない。ましてや防音箱や台は絶対通らない大きさ。ShapeOkoが“Shop用”というのはこの外寸からきているのでしょう。

ちなみにShapeOko3の作業(切断)領域は、BT100の150mm(X) × 100mm(Y)に対して、406.4mm(X) × 406.4mm(Y)と面積比で約11倍になります。

2.X軸・Y軸の移動ベルトは調整を繰り返して精度を高める必要がある!

BT100は3軸共ねじ送りなので、最初からかなりの寸法精度が出ているが、ShapeOkoはベルトは延び縮みがあるので調整(Grblのステップ数を設定)が前提。調整を繰り返すことにより0.001インチ(0.0254㎜)まで精度があげられるとのことです。

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3.(小径エンドミルは)切削時間を短く出来ない!

ShapeOkoに期待したことの一つに切削時間の短縮がありました。

BT100のスピンドル回転数が4800r/min固定に対し、マキタのルーターは最低でも10000r/min。理論的には同じチップロード値を確保するために、回転数(PRM値)を上げれば、フィード(送り速度)を増してやればいいので、切削時間が半分になるハズ。

しかしエンドミル自体のたわみが増して不安定になるのでフィード(送り速度)を上げることが出来ないようです。

4.彫刻ビットを使用するにはコレットアダプターが必要!

makita RT0701Cは国内では販売されていないので、購入にあたっては以下のサイトの情報を参考にさせていただきました。

このルーターに最初に付属するコレットコーンは、1/4インチ(6.35mm)用のもの。インチサイズのエンドミルは国内で入手が難しいので、メーカーで用意している6㎜用コレットコーンを入手しました。

しかし彫刻ビットは6㎜径のものが手に入らないのでさらに彫刻ビット(1/8インチ又4㎜)の挿入を可能にするコレットアダプターを探したところ、ALIEXPRESSで極めて安価で購入できました。品質についてはこれから確認が必要ですが。

 5.防音箱と集塵機は必須!

6㎜径のエンドミルを使った切削は強力で、切削時間も短いのですが、騒音と切り屑の量は半端ではありません。体内への粉塵の吸い込みも気になるレベルとなりました。ShapeOko3には、「Sweepy Dust Boot」が付属していますので接続部の径をあわせてホースやアダプタの購入が必要となります。

 

今回は新しく導入したCNC工作機「ShapeOko3」の紹介をしました。

 

(おわり)