モノノミカタ ~CNCを使った木工作品についての説明書きなど

自然と人をつなぐモノづくり。創作する上で知ったこと、考えたこと。

和時計のデザイン/CNCを使った木工小物製作

前回は「暦と時刻制度」についてのエントリでした。江戸期において城とお寺では決まった時刻に鐘や太鼓を鳴らさなければいけないので、時刻制度に対応した和時計がありました。

 

和時計の二つのタイプ

和時計には「不定時法」(江戸期に行われた一日を昼と夜で分けてそれぞれを6等分するやり方)に合わせるための工夫として、基本的には二通りありました。①機械の運転速度を必要に応じて変える方法と、②運転速度は一定にしておき文字盤のほうで時間調節を行う方法です。

①機械の運転速度を必要に応じて変える方法

f:id:kuroko66:20190930223518j:plain(一挺天符枕時計)

下図のようなカラクリを用い、二十四節気ごとに分銅(小錘)を移動させて時針の速度を変えていました。

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②運転速度は一定にしておき文字盤のほうで時間調節を行う方法

時針は一定の速度で動きますが、漢数字の板が円周に沿って移動できるようになっており、季節に応じて移動させます。

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出典:和時計の世界 | 時と時計のエトセトラ | 日本時計協会 (JCWA)

 

和時計の特徴

和時計にはいろいろな種類がありますが、大まかにみて次のような特徴があります。

一本の時針が、一日で一周する。

一日を12に分けて時刻を呼んでいた。十二支(子丑寅卯辰巳午未申酉戌亥)または漢数字(九八七六五四を昼夜で2回)。

 

現代の時計(「定時法」)は、盤を12に分けていますが一日で2周します。盤面には1~12の数字が書いてありますが、時の長さは和時計の約半分です。

 

「和時計風」置き時計の試作

長々と時刻制度や和時計について記してきましたが、これは和時計の表示を現代の時計に対応させることによって、当時の人たちの時間を直感的に感じることが出来るアイテムが製作できるのではないかと思いついたからです。

基本は普通の時計なので、厳密には、昔の時間には対応していませんが、例えば「草木も眠る丑三つ時」がこの時計を見れば、大体、午前2時過ぎだとわかります。

すでに数種類の試作をしておりますが、満足できるものは製作出来ていません。次のブログで紹介できればと思っています。

 

(おわり)

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