以前のブログ(下記)で、「CNC工作機による加工の欠点は、切削幅やR、切削深さはエンドミルの径、刃長に左右される。例えば入り角はピン角にならない、ミルの半径が最小R。」と書きました。
では、細い溝の連続である“文字の切削”はどうするのか、という問題が出てきます。
直径1㎜のミルの場合、文字の幅をすべて1㎜以上にしなくてはいけないのか?当初はとても悩みましたが、彫刻用のミル(彫刻カッター 下写真)を入手してからは、ある程度は解決しました。
彫刻カッターは半月の断面で60度に尖っています。ミルが回転することによりV字型に切り込むので、例え0.1㎜幅であっても切削の筋は入ります。しかし、V字型なので文字の幅が狭ければ切削深さが浅くなる欠点があります。
この彫刻カッターは超硬なので長持ちすると思いますが、ミルの交換時など、落とすとヒヤッとします。シャンク径4㎜のカッターは一般には販売していないようで、とても高価。刃先が欠けると、約5千円がパーになります。
現在、パソコンにはいろいろな文字のフォントが用意されています。彫刻カッターを使えば美しいカリグラフィーも表現が可能です。
私が就職したころ、会社にMacintosh SE/30があり、Canonのスタイルライターから印刷される文字の美しいこと!とても感動したのを憶えています。
スティーブ・ジョブズが大学で、カリグラフィー(文字を美しく見せる手法)を学び、美しいフォントや文字間隔調整を装備してくれたおかげで、今、芸術的な表現が可能になっていると言えます。
最後に、カリグラフィーを学んだ話も入っている、スティーブ・ジョブズの感動的な演説をどうぞ!
(おわり)