クスノキって知っていますか?そう、ジブリの『となりのトトロ』で、大きな木の洞(ウロ)でトトロが寝ていて、めいちゃんがトトロのおなかに落ちてくる場面がありますが、その大きな木がクスノキ。
クスノキは暖かい西日本で生育する樹木。『となりのトトロ』の舞台は、埼玉県の所沢付近だそうですが、クスノキが育つ北限が関東になります。
もともとクスノキは外来種ですが、成長がよく、巨木になるためか、神社仏閣によく植えられます。『となりのトトロ』でもクスノキの下に祠がありました。
地元四日市市の「市の木」もクスノキです。写真は駅前のクスノキの並木。
クスノキの樹皮
四日市の土壌は真砂土で、関東ロームに比べてとても痩せているのですが、なぜかクスノキだけは大きく育ちます。根張りが浅く、30㎝程度の有効土壌厚でも巨木に育っていました。
常緑樹でありながら、周囲の樹木の被圧(太陽光の奪い合い)に弱く、林の中に植えると弱りますね(かつて公園の植栽計画で失敗しました)。お隣の鈴鹿市には『長太の大楠(なごのおおくす)』という天然記念物の巨木があります。田んぼの中にすくっと立っていて遠くからでも立派な樹形のシルエットを確認できます。
出典:長太の大楠 - Wikipediaより
クスノキは、樟脳(しょうのう)を抽出して、防虫剤として利用されていましたが、今では彫刻用の材料として有名です。最近知った二人の彫刻家もクスノキを彫っています。
〇田島 享央己(たかおき)さん
〇はしもと みお さん
展覧会に講演会、本の出版に猫フイギュアの販売と、今ノリノリの美人彫刻家、はしもとさん。お隣の三重県いなべ市在住です。
主なモデルは猫と犬ですが、彫刻となる対象をとことん観察し、死んでしまった動物についても資料を調べ尽くす、その姿勢がすごいです。
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クスノキは、大きなカタマリとしての材がとれること、比較的やわらかいことなどから、チェーンソーとノミで削りだす彫刻に最適なのでしょう。
残念ながら、反りや狂いが大きいそうなので、私のCNCを使った小物作りには向きません。
(おわり)