『最も美しい飛行機は何か?』
ジブリ映画『風立ちぬ』の主人公、堀越二郎も美しい飛行機(戦闘機)を目指して試行錯誤していました。下の動画では、後ろの方に“美しい試作機”として出てきた(主翼が折れ曲がった飛行機)九試単座戦闘機、そして最後に零戦が映ります。
ネットで『最も美しい飛行機は何か?』と検索すると、海外では「スピットファイア」と答える人が多いようです。
同じころに活躍した二つの飛行機(戦闘機)を比較してみました。
零戦(れいせん) | スピットファイア | |
初期型の制式名称 | 零式艦上戦闘機二十一型 | MK.Ia |
分類 | 艦上戦闘機 | 戦闘機 |
設計者 | 堀越二郎 他 | R.J.ミッチェル 他 |
製造(開発) | 三菱重工業(日本) | スーパーマリン社(イギリス) |
エンジン | 栄21型(星型・空冷エンジン) | ロールス・ロイスマーリン (V型・液冷エンジン ) |
運用開始 | 1940年7月 | 1938年8月 |
全幅 | 12.0m | 11.23m |
全長 | 9.05m | 9.12m |
自重 | 1,754kg | 1,953kg |
最高速度 | 533.4km/h | 582km/h |
航続距離 | 巡航2,222km | 680km |
特徴 | ・2,200㎞の長大な航続距離 ・20mm機関砲2門の重装備 ・軽量を活かした優れた運動性能 |
・薄い翼厚と楕円翼による高い格闘性能 ・優美な機体 |
戦闘機としての性能でいえば、零戦はデビューした1940年時点で世界最高の飛行機でした。徹底した軽量化とバランスを図った機体、異次元の航続距離と、20mm機関砲という重火器によりどんな相手も寄せ付けませんでした。
一方、スピットファイアも、薄い翼厚と楕円翼による独創的な設計により、敵国からも賛辞を受けるくらい、ヨーロッパの戦線では最も格闘能力の高い機体でした。
デザインを見ていきます。
こちらはご存じの零戦。胴体・翼のバランスがとても美しく、体操選手のようなイメージがあります。
下の写真はスピットファイア。
機体の特徴は、他の機種には見られない『楕円翼』。液冷エンジン搭載の細い胴体に、楕円の翼がとても流麗です。
※以上、出典・データ・写真は全てWikipedia
先日に引き続き、マグネットを作成しました。
平面図を基に、CNCでカエデの板をくり抜いています。
左が零戦、右がスピットファイア。ほぼ同スケールです。
零戦は直線が多くメカニカルな感じがしますが、スピットファイアは全て曲線で構成され、大空を翔(かけ)る“生きた鳥”を連想します。
海外の人がスピットファイアを『最も美しい飛行機』だというのも、わかるような気がします。
(おわり)