『Vectric』は、イギリスのウエスト・ミッランズ(バーミンガムを含む地域)にあるソフトウェアメーカーです。CNC加工で、2.5次元までの切削が可能な安価なCAMソフト「Cut2D」を販売しており、日本でもユーザーは多いと思います。「Cut2D」があれば、機械加工ではプレート部品や歯車の切り抜き・面取りが出来てしまいますので、一般的にはこれで十分です。
『Vectric』には、他に、3DのCAMソフト「VCarve」と、3Dモデリングソフト「Aspire」があり、この「Aspire」まで揃えれば、3Dモデリング(立体設計)からCNC工作機への出力まで出来てしまいます。
興味深いのは個人向けCNC工作機の利用対象が、日本と欧米ではずいぶん違うということです。
私がCNC工作機を購入した、国内の個人向けCNCメーカー『オリジナルマインド』の、利用者コミュニティサイト(→メカトロライフ)を見ると、素材がほとんどが金属や樹脂で、模型・工作・機械で占められています。日本人はカラクリ好きですね。
対照的に『Vectric』のコミュニティサイト(→https://www.vectric.com/vectric-community/case-study?category=Case+Study&page=1&items=0 、下写真)を見ると、9割がた木工で、レリーフを用いた看板や家具が目につきます。「VCarve」は彫刻ソフトといってもよいぐらいレリーフ対応をしているのは、このような文化背景があるのですね。
“CNC工作機による(木工)小物製作”をテーマにしている私としては、やっぱり『Vectric』のサイトの方が気になります。
(おわり)