モノノミカタ ~CNCを使った木工作品についての説明書きなど

自然と人をつなぐモノづくり。創作する上で知ったこと、考えたこと。

黄金比について/自然の中の黄金比/モノづくりとデザイン

古代ギリシャの時代から黄金比(1:1.618…)の長方形は、最も均整がとれた長方形とされています。パルテノン神殿やモナ・リザ、Twitterのロゴマークなどまで黄金比で説明されていますが、厳密には違うものもあるらしいです。

黄金比は美しいと思いますか?

西暦1700年前後にバイオリンを製作したストラディバリは、黄金比を厳密に当てはめ、楽器を創作しました。ストラディバリウスはその均整の取れた形のせいなのか、すばらしい音を奏でます。黄金比と音響との関連はよくわかりませんが、“自然の摂理”のようなものが働いているのかもしれません。

 

黄金比の定義

黄金比とは1:(1+√5)/2=1:1.618…で表せられる比。近似値は1:1.618、約5:8。

または、「線分をa, b の長さで 2 つに分割するときに、a : b = b : (a + b) が成り立つように分割したときの比 a : b 」のこと。後ろの方が肝要です。

下記の図は黄金長方形と呼ばれています。黄金長方形から最大の正方形を除くと、残った長方形がまた黄金長方形の比率になり、そこからまた最大の正方形を除くと、永遠に相似な図形ができていきます。

正方形の列において角の点を滑らかにつないでいくと、渦巻きができていきます。この螺旋は、巻貝の貝殻に表れている渦巻きと同種で、対数螺旋(らせん)というそうです。

 

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 出典:ウィキメディア・コモンズ (Wikimedia Commons)

 

 

黄金比とフィボナッチ数列

1,1,2,3,5,8,13,21,・・・

のようにはじめの2つの1を除いたこの数列のそれぞれの数は,その1つ前の数と2つ前の数との和になっている、2=1+1,3=1+2,5=2+3,8=3+5,・・・・・・ このような数列をフィボナッチ数列といいます。

この数列を一辺とする正方形を渦の中心から連ねていくと次第に黄金長方形に近くなります。

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 出典:ウィキメディア・コモンズ (Wikimedia Commons)

 

この数列は自然界の中で木の枝分かれの本数や、マツボックリやヒマワリの種の付き方にも見ることが出来ます。

実はこの数列を無限に重ねると黄金比に限りなく近づいていきます。自然は小さくはフィボナッチ数列で始まり、台風くらいの大きさになると黄金比で表せられる螺旋(らせん)を描くのだと思います。

水や空気の流れなど、渦や螺旋(スパイラル)、波の動きを想定すると、黄金比で出来た楽器という“器(うつわ)”が空気の振動とうまく調和するというのも感覚的にはわかる気がします。

 

(おわり)

 

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