休日を利用して石黒 浩氏の講演会を聴いてきました。石黒氏は大阪大学でロボットの研究をされていて、本人そっくりのアンドロイドをつくったことでもよく知られています。公演がとてもよかったので概要のメモをまとめました。
〇なぜ人間型のロボットなのか
人間の脳は人と関わるために作られている。車は前から見ると人の顔のようであるし、人間型のロボットは人気。
・ココスの卓上ロボット
www.youtube.com・有名人アンドロイド
石黒氏本人のアンドロイドは2年ごとに作り直している。有名人アンドロイドは米朝師匠、漱石、マツコ、徹子など。
www.youtube.com・シヨーウインドウのアンドロイド
彼女が微笑みを返してくれると男は皆とりこになる。
www.youtube.com・ERIKA
「美しい人」をテーマに開発。モデルがない実在しない顔。人は特徴がなく左右対称の単純な顔を美しいと捉える。
一方で「人間らしくないもの(アンドロイド)へのあこがれ」というものもある。
映画「さようなら」のアンドロイドに心を感じるのはなぜ?
〇自立したロボットを目指して
・存在感
人間そっくりで等身大が良いわけではない。必要最小限の形は「テレノイド」や「ハグビー」。
www.youtube.com人間らしい音声と触感でストレスが軽減され、集中力もアップ。
人はストーリーになっていれば対話している気分になれる。ロボットが二台以上あればロボット側が音声認識していなくても会話が成り立つ。
www.youtube.comアンドロイドの店員は売上ナンバーワン。人間相手でないとかえって信用できる。
・体
人間の脳の機能として「腕」の数が増えても動かすことが出来ることが実験で確認された。
コンピューターは「ムーアの法則」により小型化・高性能化する。千年~万年後の人間は、体を機械やコンピューターに置き換えて存在しているだろう。人間は「無機物の知的生命体」になり、好きな体が選べるようになる。「進化とは多様性」。
・生命
複雑な動きで人間らしさを表現、「生命らしさをもつ」アンドロイドAlter。
人間にとって重要なのは「思考」。仕事のためではなく、世の中を変えるために時間や頭(能力)を使うべき。
以上公演のメモでした。
公演の感想
ロボットは人間の対立概念でなく、人間の体の部分の機械化がロボットであり、アンドロイドなんだと思いました。石黒氏は人間がパーツを置き換えて進化していくという方向を可視化して見せてくれました。
(おわり)