モノノミカタ ~CNCを使った木工作品についての説明書きなど

自然と人をつなぐモノづくり。創作する上で知ったこと、考えたこと。

樹木と材木のケヤキを結びつけるアイテムの製作/CNCを使った木象嵌

ケヤキは箒(ほうき)を逆さにした美しいカタチで、巨木になる街路樹として皆なじみだと思います。でも木材としてのケヤキはイメージできますか?

自分もよく知らなかった木材としてのケヤキの特徴を表した、樹木と木材のケヤキを結びつけるアイテムの製作を思いつきました。

〇樹木としてのケヤキ

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ケヤキはニレ科の落葉樹で高さ20~25mの巨木になります。幹は地上から1~2mの高さから途中で扇状に分かれて長い枝となり、細かい枝まできれいに展開します。新緑や秋の黄葉、落葉後の姿も美しく、「けやき」という名前はきわだって目立つ木(けやけし木)の転訛(てんか)といわれています。

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地元四日市ではあまり大きくなりませんが、新宿の都庁周辺のケヤキは関東ロームの肥えた土壌のおかげで見事な巨木の並木になっています。

〇木材としてのケヤキ

 ケヤキは比較的硬い木材ですが加工性がよく、国産広葉樹の中で第一の良材として古くから寺社などの建築材、農家や商家の大黒柱、家具材として幅広く用いられてきました。

黄褐色で木目がはっきりしているのが木材の外見上の特色です。

私はこの鮮やかな黄色が光の加減によっては黄金に見えることがありすばらしいのですが、一方で蜂やトラの警告色も連想され、ケヤキ材の地色を活かした木工小物というのはなかなか難しいと感じました。下地の色を隠す漆の器などには昔からよく用いられていますから。

〇ケヤキのキーホルダー

先ずアイテムの中にケヤキの樹形をイメージできるアイコンをつくることにしました。特徴的な枝ぶりを表現するために実際にケヤキをスケッチをし簡略化、材の中に象嵌(ぞうがん)します。アイテムは木目が楽しめるように少し大きめに板を切り、アイコンの他、学名・和名を彫り込みました。

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下の写真を見ると色々な木目があります。左が板目、右が柾目に近いものです。なるべく勢いのある木目、面白い木目を選んでいます。

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※参考にさせていただきました

書籍:樹木アートブックⅠ(ABOC出版)

www.wood-museum.net

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